二段階紆余曲折

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クロスバイクでツール・ド・九州してきました 第4ステージ

地蔵峠にてフジ パレットの写真

目次

 

第3ステージまでのハイライト

8月11日、夏休みと時を同じく開幕したツール・ド・九州、またの名を九州自転車旅行。初日はスマホを壊し、二日目はミネラル不足によって足を攣り、三日目は通行止めで引き返すなどトラブル続きであったが、なんとかホテルまで到着することに成功した。

疲労もピークを迎える4日目、第4ステージはどうなるのでしょうか。

 

第4ステージのコース紹介

ツール・ド・九州 第4ステージのコース図

もし、仮に今年の熊本の震災が無かったとしたら、間違いなく阿蘇山へのヒルクライムを選択したであろうツール・ド・九州 第4ステージのコースですが、残念ながら阿蘇山への道はどれも通行止めになっているので、残念ながら諦めてコースを設定することになりました。

第4ステージは阿蘇市内をスタートして、熊本市の市街地へ行くコースを設定しました。阿蘇から熊本市までの道路の多くは震災の影響で通行止めになっており、問題なく通れて現実的な距離なのは南阿蘇グリーンロードとのことで、国道57号線と国道265号線を使って阿蘇山をぐるっと回った後に南阿蘇グリーンロードを経由して阿蘇市市街地へ向かう約89km、獲得標高1484mのコースを設定しました。

この日は19時からうまかな・よかなスタジアムで行われるロアッソ熊本 VS ジェフ千葉の試合を観戦するために時間制限が厳しく、短めのコースになっています。

 

市ノ川駅から白川水源まで

倒壊した阿蘇神社の写真

ホテルでスポーツドリンクだけ買って出発し、国道57号線で西に向かいます。さすがに疲労のピークで足が思うように回らないので、無理をしないペースで軽めのギアで進んでいきます。ここも一見平坦に見えるけど、微妙なアップダウンがある道ですので、無理して体力を浪費しないように温存走法を心がけて、阿蘇駅近くにある「道の駅 阿蘇」までアップに専念、そこから次のセブンイレブンで補給をしたら、国道を反れて北上して阿蘇神社に向かいます。

 

阿蘇神社付近の水車の写真

阿蘇神社付近の日本一のポストの写真

阿蘇神社付近の駐車場はバイクラックがあるので、そこで自転車を停めてしばし観光します。足湯ならぬ足水や、水車、何が日本一なのかよくわからない日本一のポストなどがあります。阿蘇神社は震災の影響で崩れてしまっていますが、観光客はそれなりに来ているようです。阿蘇神社付近も湧き水が豊富らしく、身体を冷やすためにアームカバーに水をかけてから再出発です。

 

坂梨の交差点の写真

阿蘇神社を出て国道57号線に復帰した後は、国道265号線に入ります。山梨県に山がいっぱいあるように、坂梨にも坂がいっぱいで、ここから緩やかに登り区間がスタートします。最初登っていることに気がつかなかったのですが、サイコンのスピードが上がらず、息だけが上がってくるので、疲れているんだなと思ってましたが、これは確実に登ってますね。進行方向がクリアだと気が付かずペダルを踏み込んでしまって危険です。

 

根子岳付近の写真1

根子岳付近の写真2

阿蘇の根子岳の脇をガシガシ登って行くとなかなか素敵な光景を目にすることが出来ます。この日の天気もガスっている感じで、直射日光は凶暴でないので走りに悪影響はありませんが、観光的には少し残念ですね。晴れてたらどれだけいい景色だったかと思うと残念でなりません。

 

根子岳の写真

登り切ると根子岳が一望できる素敵スポットに着きます。天候は残念ですが、こんな景色は関東ではなかなかお目にかかれないところですね。そして、このあたりからダウンヒルになるので、自販機がある個人商店の前で休憩と補給しつつ下っていきます。

 

白川水源の写真1

白川水源の写真2

白川水源の写真3

ほぼ下りきった頃に国道325号線に入ってしばらく走ると、白川水源の看板が出てくるので、白川水源で癒やしと水分補給と、身体の冷却水を求めて観光していきます。湧き出る水が本当に綺麗で神秘的なところでした。ただちょっと観光臭が強すぎるかなとも思うのですよね。

 

水源茶屋の豆腐の写真1

水源茶屋の豆腐の写真2

水源茶屋の豆腐アイスの写真

お昼ごはんにはまだ少し早いので、水源茶屋でアイスでも食べて行こうかと「豆腐アイス」注文したら豆腐+豆腐アイスでびっくりしました。実際問題として、豆腐の味の違いがよくわからない私ですが、醤油にこだわりがあるらしく、豆腐も醤油も美味しかったです。アイスは檜原豆腐の豆乳ソフトの方が好きかな。ラクトアイスとソフトクリームでは別物なんですがね。

 

白川水源から阿蘇市内まで

池の川水源の写真1

池の川水源の写真2

白川水源を出て、国道325号線に戻らずに白川水源の前の道を西に進んでいくと、池の川水源と言うところに出ます。こちらも湧き水があるのですが、観光地と言うよりも地元の人含めて水を汲みに来るような小さなスポットでした。個人的にはこちらのほったらかされた感じのほうが白川水源の観光地ナイズされたところよりも好きかもしれません。

 

南阿蘇グリーンロードの写真1

池の川水源で熊本県道39号 矢部阿蘇公園線に入ってしばらくすると、南阿蘇グリーンロードと言う道に入ります。ここからは阿蘇の外輪山の峠である地蔵峠を越える道になり、震災直後には唯一熊本市内と阿蘇をつなぐ道路だったと言うところです。

 

南阿蘇グリーンロードの牛の写真

阿蘇は牧場が多く、放牧もされているので油断すると道の脇にこんな牛が居たりします。「よっ!」と声をかけたら近寄ってきてくれました。ただ、数本の有刺鉄線ごしはものすごく怖いので、そそくさと退散し先を急ぐことにしました。

 

南阿蘇グリーンロードの写真2

南阿蘇グリーンロードの写真3

南阿蘇グリーンロードの写真4

地蔵峠までの道の景色も本当に綺麗ですが、天気がもう少し良ければなと言う思いと、天気が良かったら登ってられないかもしれないからイイやと言う気持ちが交互に浮かびます。途中、自転車旅をしていると思われる上半身裸の外国の方二人組と励まし合ったりしながら地蔵峠の看板がある駐車場まで着きました。ここからはもう一息のようです。この駐車場で休憩中のバイクツーリングの人と談笑したりと、自転車やバイクの旅人と話したりするのは新鮮な経験だったと思います。

 

阿蘇ミルク牧場の写真

地蔵峠を越えると熊本市内までロングダウンヒルになります。ダウンヒルなので体力も水分もあまり消費しないとはいえ、地蔵峠のクライムでボトルの水も無くなってきたので、らくのうマザーズ阿蘇ミルク牧場に補給のために入ることにしました。ちょっとした軽食や自販機で飲み物を買えればいいかなと思ったのですが、入場料を取られてしまったので、折角だから観光します。

 

阿蘇ミルク牧場の牛一頭焼きの写真1

阿蘇ミルク牧場の牛一頭焼きの写真2

動物レースや、色々と出し物があるみたいですが、時間に余裕があるわけではないので、食べ物メインです。牛の一頭焼きみたいなのがあって買ってみましたが、すごくうまい。この歳になると脂身たっぷりなのは苦手になっていて、霜降りより赤身やろが!焼肉はハラミさえあれば満足だ!が持論の私ですので、このお肉はちょうどいい!!本当にちょうどいい赤身具合で美味しかったです。そして、アサヒドライゼロはノンアルコールビールに革命を起こしていると思う。

 

さて、牧場を出てもダウンヒルが続き、熊本県道28号 熊本高森線に入ってラストのほぼ平坦区間になります。さすがにここまで降りてくると気温が上がってきて、暑さの面で辛くなってきます。そして、県道28号に入る手前からですが、屋根にブルーシートの雨除けをかぶせている家が多く見られるようになってきました。震災の爪痕はまだまだ生々しく、復興が進んでいない現実を突きつけられます。

 

今でも思い出すと辛いのですが、熊本県道28号と国道443号線の交差点付近は、今回のルート上で最も被害が大きい所でした。倒壊した家屋も多く、倒壊していなくても危険の張り紙がしてある家、生存確認をしていると思われる家々を廻っている警察の方、道路にブルーシートでタープのように屋根を作っているところなど、衝撃的な光景です。

 

写真を撮って現状を伝える事が良いのか、そっと応援しておくのが良いのか、考えながら走っていましたが、結局写真を撮る勇気は出ませんでした。2016年8月現在、Googleマップのストリートビューでは震災直後と思われる状況が確認出来ます。今はこのストリートビューより少しはマシと言う程度でしかなかったです。

 

そんな中で、がんばろう益城町とかの張り紙や旗が掲げられているのを見て一気に涙腺が崩壊するのでした。何この人達、自分たちが一番辛いのに頑張ろうとか励まし合ってるんだろう。どんな強靭なメンタルなんだよ。とかかんとか、人間の無力さ、いや、自分の無力さを実感するとともに、この人達すげーや、かなわねーやと思うのでした。

 

ただでさえ暑くて水分と塩分が抜けていくところに涙まで出て行く状態だったので、ファミマで休憩してフラッペで身体と心を冷やしながら涙が止まるのを待つのでした。だって、前が見えないと危ないじゃない。

 

さて、気を取り直して熊本県道28号を突き進めば熊本市電の路面電車と並走する形になり、そのまま直進していくと熊本城、熊本市の繁華街へ出て第4ステージのゴールとなりました。いやー、標高が下がるとあからさまに暑くなって、信号で止まる度にアスファルトからの放射熱が厳しかったです。

 

ホテル

www.jalan.net

市街地に入って風俗街の近くに本日のホテル、ワシントンプラザホテルがあります。自転車を部屋の中には入れることは出来ませんが、すぐ近くに有料の駐輪場があるので、そこに停めることにしました。8時間100円です。うまかな・よかなスタジアムまでも自転車で行こうかと思っていたのですが、思ってた以上に疲労が溜まっていることもあって、交通センターから出るバスでスタジアムに行くことにして、しばし休憩します。試合のほうはものすごく残念な結果でしたが・・・。

試合後にホテルに戻って食事でも行こう、馬刺し食いたいぞと街を歩いてみましたが、すでに日付が変わる頃でめぼしいお店が見つからず、あっても何や怪しげだったので、一度ホテルに帰ってからネットで調べてから出直そうと思って居ると、眠くなってきてしまったので晩ごはんは諦めて寝ることにしました。

 

感想

天候は晴れだけどガスっていたのだけが残念な1日でした。それさえなければアクシデントもなく、時間的にも問題なく、素晴らしい景色が堪能できたはずだと思います。あ、馬刺し食べれなかったのも残念でしたね。

被災地の現状は復興までまだまだだなと言う印象でした、市街地の方は比較的新しい建物が多いので倒壊している家屋は見受けられませんでしたが、少し離れた益城町は古い民家が多いためか結構悲惨な状況でした。もちろん時間が必要ではあるとは思いますが、まだまだ出来ることは色々あるのだろうなとも思います。

 

次回、ツール・ド・九州 第5ステージに続く

 

 

るるぶ熊本 応援版 (国内シリーズ)

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