二段階紆余曲折

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フロント目線のサッカー漫画「オーレ!」を読みました

ジェフ千葉や今年の名古屋グランパスなどを見ていると、フロントがキチンとしているかしていないかは大事であると、心底思うわけです。これは何も日本に限ったことではなくて、ミランやインテルが監督交代を繰り返してグズグズになっていく姿を見ていると海外でも同じであるか、もっと酷いのかもねとも思うわけです。

 

ジェフ千葉もかつて、貧乏クラブと言われていた時代がありました。が、J2が誕生し、J3が誕生した今、相対的に貧乏クラブとは言えなくなっているのが現状です。貧乏クラブがジリ貧になっていくのはある意味仕方がない面があるのですが、今の状態は言い訳が利かないだろうと思うのです。

 

さて、そんなジェフ千葉がある千葉県にもう一つ、海ほたるのある木更津あたりの第3のクラブがこの漫画「オーレ!」に登場する上総オーレなわけです。(架空の)上総市の市役所勤務である主人公の中島順治は大学時代の第二外国語にドイツ語を履修していた関係で、上総オーレにシーズン途中加入となるドイツ人DFのレネ・ヴォルフガングの通訳として出向となる。

 

貧乏クラブの上総オーレは人手が足りない。通訳として出向となったが、通訳の傍ら雑用などを含めたフロントの担う業務を手伝いつつ、スタジアムの空気に触れ、ファン、サポーターとコミュニケーションを取るうちに、上総オーレを2部リーグ残留に導く。そして翌年からは市役所を辞め、上総オーレの社員に、なって1部リーグ昇格、12年後には優勝へと導くといったストーリーです。

 

スポーツ漫画だと基本的には選手が主人公、選手目線、編み出されるスーパープレーの数々が基本となっている。ジャイアントキリングのように監督が主人公と言うのも珍しい方だと思うが、この漫画はフロントの人間が主人公となっているところがまず面白い。チームが勝てなくなると選手批判よりかは監督批判、フロント批判になりがちではあるが、その当のフロントにだって言い分はあるんだよと言うことがものすごくわかる。

 

ジェフ千葉もイビチャ・オシム監督を招聘してJ1で優勝争いをしたりカップで2連覇をしたりと最高の時代があったわけで、その時のGMが祖母井さんと言う方だったのだが、オシム監督の成功によってものすごく持ち上げられていた。しかしながら、オシム監督を招聘する前の数年間は非常に苦労なさっていて、ものすごい批判もされていたのである。祖母井辞めろのコールもあったと聞く。積み上げた苦しい約5年間の後に、オシム監督の4年間があったことを忘れてはならない。GMだってお金がなければ出来ることなど限られているのだ。

 

フロントの仕事としては地域密着として地元との交流、地元スポンサーへのあいさつ回り、出資のお願いなどすることは沢山ある。人気チームであればスポンサーは集まりやすく、お金が入るので補強して強くなってさらに人気が出ると言う上昇気流に乗れるが、貧乏クラブは基本的に弱いので人気がなくなり、スポンサーが集まらずに補強できなくなりさらに弱くなると言う負のスパイラルが待ち受けている。これは辛いね。

 

そんな中で一貫した方針による継続的なスタイルを目指す監督選び、ユースからの強化方針を持ってして、徐々に積み上げて行くことが大事だと思うのだが、社長が親会社からの出向だったりするので、任期だけ問題なければ良しとされたり、そもそもサッカーにそんな興味がなかったりするのが痛いところだと思う。

 

でも、ジェフ千葉はもう相対的に貧乏クラブとは言えない予算規模を持ったクラブなので、甘ったれたことは言ってないで、一本骨の通った道を示して欲しいんですよ。頼んますよ。周りのスポンサー・サポーター・選手は1年で昇格、今年こそ昇格と言うに決っているんです。それに惑わされずに今の立ち位置と進むべき道を設定して欲しいところです。そろそろ1年毎に作って壊してたらダメだって事に気がついてください。

 

 

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