「乙嫁語り」は中央アジア、キルギスとかウズベキスタンとかそのあたりのお話であるそうです。中央アジアの歴史だなんてのはほとんど知らないのですが、なかなか面白く興味深く読むことができました。
メインの主人公であるカルルクさんの奥さんであるアミルさんの周辺を中心としたお話です。まったく詳しくないけど日本でも戦国時代とかそれ以前とかでは13歳で元服とか言って成人男性の仲間入りを果たし、そこからすぐに結婚するようなことも珍しくなかったのではないかと思いますが、「乙嫁語り」では当初カルルクさんが12歳で、アミルさんが20歳という設定だったようです、うらやまけしからん。
現在の日本のような先進国では晩婚化、少子高齢化になって久しいですが、文明が発達した結果、寿命が延びたことと無関係ではないのだと思います。一方で乙嫁語りの時代や日本でも昭和初期までは平均寿命が低いこともあって早くに結婚して子供をたくさん産んでいくことこそが子孫を残す、血をつなげる、家族のための労働力という意味で正しいことであったのだと思います。何せ油断すると5人の兄弟が全員なくなって母親と嫁だけが残されると言ったこともある時代ですからね。
で、子どもを早く作るためには早く嫁に行かなくてはならないのですが、これがまた一大イベントとなるわけです。丈夫な子供を産み、育てる能力が求められるわけであったり、同盟的なことであったり、金を持っていなかったりとかいろいろですね。日本においても結納というのが昔からあったり、名古屋の結婚式が派手だったりと、最近はわりと廃れてきている風習だとは思いますが、昔はいろいろとあったんやなぁとは思うわけですね。
とまぁ、中央アジアを舞台としての漫画ですが、昔の日本や、現代の日本と比較してみたりとかを考えていると、ただの物語であること以上に興味深く読めるんじゃないかなと思います。
今の日本と比べると価値観は全く異なりますが、消えかけている風習や伝統なども生きるための環境が異なってきているからなんだなということがわかりますし、とは言っても、すぐに変わるもんでもないから我慢やしがらみは避けられないよねと思うのです。
そんなこんなで、私より下の世代の方々には、よりよい世界が迎えてくれることを期待しつつ、日々楽しみながら生きていきたいな、と、思うわけでありますが、そのために何かしようとは別に思ってないので、とにかく人生楽しんだもの勝ちの精神で日々を生きていこうと思います。
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