明治安田生命J2リーグ 第6節は3連戦の最終日を京都サンガF.C.をホームに迎えます。前節のカマタマーレ讃岐戦でようやく今季初白星を上げたジェフ千葉は調子の上がってきていないズッ友の京都を下して2連勝としたいところです。前節は東京では雪が降るという寒さの中でしたが、この日は初夏の陽気で暑さが連戦の疲れにどう影響するかが大事なので先行逃げ切りで行きたいところです。私の方は電車を一本逃して前節に引き続き遅刻と言うことになります。
前半
選手の怪我なのか連戦によるターンオーバーなのかはわかりませんが、前節から先発メンバーに変更がありました。GKロドリゲス選手は不動、スリーバックは前節と変わらずエベルト選手、近藤選手、鳥海選手の3名、両WBは高木選手に代わって杉山弾斗選手、山本真希選手に代わって溝渕選手が入ります。ダブルボランチは不動の熊谷選手と佐藤勇人選手に代わって茶島選手のコンビ、前線は両翼の清武選手、船山選手をそのままにトップがラリベイ選手ではなく指宿選手となっております。高木選手、山本真希選手、ラリベイ選手はベンチにも入っていないのですが、無理をさせないという方針であることを願います。注目すべきは先日登録されたオーストラリア代表のゲリア選手がベンチ入りしてきたことでしょうか。
私が会場に到着してからはしばらく膠着状態と言ってもいい感じだったかも知れません。普段のホームの試合であれば前半から飛ばしているのですが、なかなかにゆるい感じです。と言うのも京都のプレスが前からではないので、テンポが上がらないと言うことかなと思います。ディフェンスラインでボールを持てるので回してしまいがちでスピードアップが難しい感じでした。そんな中でこの写真のプレーで清武選手が着地に失敗して足を痛めて為田選手と交代となります。
この日の試合を見ていて面白いなと思ったことは、両ウイングの清武(為田)選手・船山選手が降りてくることです。それによって前線が渋滞するような事が無かったのが印象的でしたし、降りてきて空いた両サイドには両WBが上がる形になりマークをズラしている印象でした。更に、ダブルボランチの主に熊谷選手が下がることでスリーバックの両サイドの選手がまるでサイドバックのようにオーバーラップすることもあると言うことです。いやぁ、エベルト選手がクロス上げる役目ってどうなんだろうか。
今年はゴールに直結する仕事が出来ている指宿選手がスペースで受けてドリブルから闘莉王選手を振り切ってからのクロスをあげます。最近の指宿選手は表情がとても凛々しくて良いですね。
先程の指宿選手のクロスは弾かれますが、そのボールを拾った指宿選手は後方の溝渕選手に出すと、フリーで余裕のある状況でクロスを供給します。割りと滞空時間の長いちょいフワクロスは後方の大外から走り込んできたエベルト選手にドンピシャであってこの打点のすごい勢いのヘディングシュートをぶち込んで先制に成功します。
カウンターから指宿選手が中央へ切り込むドリブル突破を試みると闘莉王選手のディフェンスにあいファウルでFKをゲットします。この闘莉王選手の手が個人的にツボです。
指宿選手がゲットしたいい位置でのFKを茶島選手が蹴り込みますが、壁にブロックされます。さらにその跳ね返りをシュートしたら、いい感じに熊谷選手の足元にこぼれ、ゴール前で冷静に決めて熊谷アンドリュー選手の移籍後初ゴールで欲しかった追加点をゲットすることが出来ました。写真は撮れなかった。
2点リードとなり押せ押せ気味になったジェフは引き続き攻撃の手を緩めません。前々節の徳島戦でデビューした高卒ルーキー杉山選手はこの日が初先発でした。左サイドからのカットインから左足シュートは京都GKのファインセーブに阻まれます。
非常に困るのがやはり闘莉王選手の対応ですね。センターバック位置からボールをカットしたまま少し運んでサイドにボールを供給すると、迷いなくゴール前まで侵入してきてこのヘディングシュートをカマスわけですからね。レンゾ ロペス選手と闘莉王選手が中に居ると非常に危険です。
ビハインド状態でも中々追ってこない京都相手にボールを回しながらスキをつこうとしますが、ヘンテコなミスからボールを失ってあわやというシーンですが、そこはディフェンスリーダーの近藤選手の対応で事なきを得て、前半終了となります。
後半
今日の後半の円陣ダッシュも勢いがあって良かったです。後半に入ってジェフ側はメンバーチェンジがありませんでしたが、京都は宮城選手に代わって下畠選手が入り、闘莉王選手がアンカーの位置に入ります。攻撃力もあるし、スピードでは負けるので良い対応かも知れません。
ハーフタイムの間にかなりの水がピッチに撒かれたのかなと思います。かなりの水しぶきをあげますね。
船山選手は今日も元気にフクアリ劇場を盛り上げてくれます。谷澤選手のプレーを引き継ぐのは船山選手しかおりません。このシーンはファウルをゲットしてましたが、私の目から見たら足が当たったようには見えませんでした。リプレイで見たら当たってるかもしれませんけど。
杉山弾斗選手に代わって矢田選手が入りました。エベルト選手を左SBの位置に、矢田選手をトップ下にした4-2-3-1の様な布陣になっていると思います。エスナイデル監督がやっぱ4バックの方が好きなんや!と思ったかはわかりませんが、
鳥海選手が痛みます。ここまでほとんど写真で紹介するシーンが無い鳥海選手なのですが、本当に落ち着いていて賢く守れていると思います。こんなに安定感があるとは正直ルーキーとは思えないほどです。
その鳥海選手に代わってゲリア選手が左SBに入り、エベルト選手がCBに戻ります。本来はゲリア選手は右SBの選手だと思いますが、慣れない左サイドに入ることになります。そして、この日は得点のみならずに、攻守に奮闘する熊谷選手はこの1年ちょっとでものすごく成長したなぁと思うわけです。たぶん主にメンタル的にだと思うのですよ。
3連戦でかつ気温も上がってきているので両チームともに疲れが出てきてオープンな展開になります。そんな時にドリブル突破からのチャンスを演出するのが為田選手であるわけですが、今シーズンは対策されているのかイマイチな感じではあるわけですね。
ダブルボランチになって何が一番のメリットなのか。もちろんアンカー脇の危険なエリアを使われないと言うのもあるのですが、ジェフにとっては攻撃センスがある熊谷選手が前でスルーパスを狙えるシーンで活躍させることができると言うことでしょう。このシーンでは船山選手と合いませんでしたが、センスを感じさせる事ができます。
守備面で言うと、ゲリア選手は合流間もないので致し方ないとして、エベルト選手も走り込む選手に付いて行ってしまう傾向がありますね。エベルト選手については最後は潰せる自信があるのでそうしているのだと思いますが、少々危険になります。このシーンでファーサイドの裏に出されると結構即死状態になるわけですよ。エベルト選手はスピードもありそうですから自信を持って上げていって欲しいところかなと思います。
つまり、こう言ったジェフの右サイド裏を使われる展開になるわけですね。溝渕選手が頑張って粘ったのでライン際まで来ましたが、そうでなければゴールまで直進されてしまいかねません。それにしてもロドリゲス選手のこの読みも素晴らしいし、この距離のスピードのあるクロスをキャッチ出来るのも素晴らしかったです。
この日はエベルト選手と京都のレンゾ ロペス選手との競り合いが面白かったですね。長身選手同士のガチのぶつかり合いでした。エベルト選手は競り合いの末、前に出れない場合でも長い足を伸ばして先に触ると言うプレーが素敵だったと思います。
さすがに最後はお疲れのようでしたが、溝渕選手は最後まで走りきっていて立派だったと思います。このシーンはちばぎんカップでの1点を思い出させるようなプレーだったと思います。惜しむらくは、シュートではなくマイナスのクロスをグラウンダーで出せると良かったのですが・・・中に人は居たっけ?
京都のコーナーキックからのレンゾ ロペス選手のヘディングは指宿選手がクリアします。この坊主頭に汗が飛び散るシーンってのがやっぱスポーツの醍醐味だと思うんです。
完全にオープンな展開になった終盤でまだまだ体力の衰えない熊谷選手の運ぶドリブルからのスルーパスに反応した為田選手のシュートはGKにセーブされます。たぶんですけれども、キレキレの時はここで切り替えしたりするんじゃないかなぁと思いますね。
最後はサイドで保持した為田選手から中の矢田選手へ、そこから縦へ走り込んだ為田選手へ、そこからマイナスのクロスを矢田選手がシュートを打ちますが惜しくも枠を外れますが、惜しい展開だったのではないでしょうかね。そんなこんなで試合終了です。
感想
3連戦の最後は気温も上がってどちらにとっても消耗が激しい試合だったのでは無いでしょうか。そんな感じが試合終了のホイッスルとともに座り込む選手たちに感じます。特にジェフとしては負傷交代と言うアクシデントでまだまだ頑張ってもらいたい選手が交代になっていますので、辛いところはあったのでしょう。いい時間帯に先制と追加点が取れたことが全てではなかったでしょうかね。
選手登録後、初出場となったゲリア選手は慣れない左SBでまずまず頑張っていたのではないでしょうか。贔屓目にもオーソドックスと言えない戦術なのでディフェンスラインのジズザグ感は仕方がないものと思いますが、最低限のことは出来ていたかと思います。今後は右サイドで使われるかと思いますが、ディフェンスラインを揃えるところ、日本人選手の細かい動きについていくことなど、調整が必要となるかと思います。それにしても、この写真のシーンの高速クロスには度肝を抜かれましたね、日本ではなかなか見ないプレーだったかと思います。戦術にも慣れ、日本にも慣れてきた時にどうなるのかが楽しみでなりません。
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